禅那と正思惟

 

 「無辺の生死をば何んが能く断つ、唯禅那と正思惟とのみあってす」『般若心経秘鍵』(定三・三)

 

 これは、『般若心経秘鍵』の一節に書かれているくだりです。空海が『般若心経』に独自の見解を明らかにした注釈書です。

 

 われわれをはじめ、この世の生きとし生けるものすべてはこれまでにたくさんの生死を繰り返してきております。

 

 この世には、いろいろな苦しみがあるといいます。いかにすればこの苦しみから離れ、この輪廻の苦界を断ち切れるのか。

 

 宗祖弘法大師は、その方法はただ二つだけであるととかれております。ひとつは、「禅定」(ぜんじょう)、もうひとつは「正思惟」(しょうしゆい)です。

 

 禅定とは、精神を統一し、心を深く静寂にさせることです。つまり、瞑想をおこなうこと。そして、正思惟とは「正しい考え方」のことです。無害心(むがいしん)・無瞋恚(むしんに)・無貪欲(むどんよく)の三つです。

 

 無害心とは、「傷つけない」です。無瞋恚とは、「怒らない」です。無貪欲とは、「貪らない」です。

 

 特に注意したことは、無害心の「他を傷つけない」だけではなく、「自分自身のことも傷つけない」ということです。とかく人はイライラしたり、むしゃくしゃした気分を晴らすためにタバコやアルコールなどの過剰摂取や、薬物に手を染めたり、暴飲暴食を繰り返したり、ギャンブルにのめり込んだりと…。しらずしらずのうち自分自身の心身を害する行為をしてしまうことも少なくありません。

 

 お恥ずかしいお話ですが、若かりし頃の私もアルコールやタバコが手ばなせないこともありました。今になって思えば、何かに対する怒りや憎しみ、また、無明からくる迷いが自分自身を苦しめ、そして、傷つけていたのかもしれません。

 

 今は仏さまやお大師さまに見守っていただきなら禅那(瞑想)と正思惟の実践に精進する日々にあります。

 

 幸せとは、一体何でしょうか。幸福とは。迷いのない世界とは…どこにあるのでしょうか。

 

 禅那と正思惟、仏道修行、六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)。仏とともに。

 

 合掌

 

 

 ■ 般若心経 

 

 玄奘訳が最も広く流布するが、鳩摩羅什訳を含んで合計7訳が現存し、小本と大本との2種のサンスクリット本とチベット訳本とがある。文字数300字たらずで大乗仏教の中心的な教えを端的にあらわすお経とされている。 岩波『仏教辞典』 参照・一部引用

 

 ■ 般若心経秘鍵とは

 

 わが国最初の『般若心経』に対する注解書。密教の立場から、『般若心経』の秘められたその本質、大般若菩薩(だいはんにゃぼさつ)の瞑想(めいそう)世界を説き明かした空海の著作。

 瞑想・法話

 

 現在、東京・大阪・高知で瞑想会や法話会を開催しております。

 

 瞑想を通して心身の健康をリラックスさせ、法話会では他の方々とのお話の中でよりよい生き方とは何かを参加者の皆さま方とともに見つけてまいります!!

 

 年齢・性別などの別なく誰でもご参加いただけます。

 

 ご興味のある方は、ぜひ「やさしい瞑想法」のホームページをご覧いただければです。

 

 それでは、どうぞ宜しくお願いします。

 

 合掌